プラスワンリビングなどの屋上庭園の家を考えている方へ。ネット上の評判なども気になるところですが、実際に行ってみてきました。今日はそのレビューや、感じたデメリットについて書きたいと思います。
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今回はその中で屋上庭園プラスワンリビングを見学させていただいた際の感想を述べていきます。
施行中の個人邸を見学させていただいたので、残念ながら写真はありません。
前提として。私の住む地域の土地の広さ
私の住む地域は都心にほど近い埼玉県になります。都心のどこの駅を目指すかにもよりますが、20分〜40分で概ね山手線内のどこかしらに行けるという場所です。土地の坪単価は駅からの距離にもよりますが、概ね坪80万〜120万と行った地域です。なかなか泣けますね。
さてそのような地域で見学させていただいた家々は20坪〜30坪の土地に建ぺい率めいいっぱいに建てているという状況です。3階建ての家も多く存在します。快速が停まる・ターミナル駅である、などの条件が重なれば15坪の土地に無理やり家を建てる、などということもおこっております。
いわゆるペンシルハウスですね。
プラスワンリビング見学の感想・デメリット
さて、結論からいうと屋上の見学時、初見として私が感じたことは、ズバリ狭い、でした。
もちろん施行中ということで、あれこれとアイテムや設備で彩られていることはなかったですが、どの家もホームページで見ているイメージとはことなるものでした。
何故そう感じたのか、また結局見送ろうかな、と感じたいくつかの理由説明していきます。
理由#1.狭小地は家が狭いので屋上も狭い(狭小地のジレンマ)
この狭い、という感想。先ほど前提で述べた通り都市部、狭小地の宿命かと思います。
屋上庭園を検討する、都市部の方は少なからず下記のような思考回路が存在するのではないでしょうか。
- 地方出身で庭になれ親しみ育ち、庭が欲しい。
- しかし庭付きの土地を変えるほど土地が安くない。
- 屋上に庭を設けることはできないだろうか。
そしていざ施工してみて、施工結果下記のようなことが起こってしまうということがわかりました。
- あれ、狭小地ってそもそも家の面積が少ないから、せっかく作った屋上もなんか狭いぞ。
庭がとれずに屋上庭園を検討したのにせっかく作った屋上も結局狭い。なんとも、都市部狭小地の宿命ですね。
では土地が60坪70坪購入がスタンダードな地方都市であればどうなるかといえば、それはそれは十分な広さの屋上がとれるのでしょう。
しかし、考えてみてください。50坪~60坪の土地を手にするのならば、20坪ほどの庭が作れてしまうのです。そもそも屋上なんていらないんじゃないか、という話になります。
・・・屋上庭園、なんともジレンマを抱えた商品である・・・
悩ましい。。。
思わず個人的な感想、思考に合わせてディスってしまいました。
とはいえ、屋上に何を求めるかは人それぞれです。家庭菜園をするのにほんの小さな面積さえあればよい。面積は小さくても周囲が見渡せる眺望が欲しい。そういった人であれば屋上施工はGO判断ができると思います。
私の初見としては、正直ホームページの素敵な写真とギャップがあり過ぎて、施工をためらう形となりました。
続いて、ネガティブに感じた理由の2つ目です。
理由#2.屋上はやっぱり風が強い
なんどかみさせていただいた日の1日は、小雨吹いたりする少し寒い春先の日でした。
埼玉県、どうしてなんでしょうか。埼玉県に越してきてからなんか風が強い日が結構あるなぁと思っています。とくに春先なんかがそうだと感じています。
アウトドア好きの私の経験としては、バーベキューなど外作業に風は大敵です。ガスコンロを使う、炭火を焚く、タープをはる、風は外の全ての作業を邪魔します。
夏にキャンプ場などに行って何不自由なく作業ができるのは山あいに入って、キャンプ場を囲んでくれる木々が風を打ち消しているからということを忘れてはいけません。
風が強ければ、その空間を彩るために置いた植木や花瓶の類も倒れます。ゴミもどこかに吹き溜まります。
屋上施工後に日々使うためには風との戦いが強いられることも想定しなければなりません。実際に春先にヘーベルハウスのモデルルームの屋上を見学させてもらいましたが、テントが結構偏ってました(苦笑)
また、風について色々書きましたが、雨の日も言わずもがなです。。。雨が降ったら使えないのですよね。
続いてネガティブに感じた理由の3つ目です。
理由#3.そもそも完成後、本当に頻繁に屋上を使うのか問題
プラスワンリビング施工をできる提携会社、はたまたヘーベルハウス、など屋上を見させていただきました。しかし屋上施工に関しては決まって各社営業さん『おすすめしない』とのことでした。
彼らが言うのは『住みだした後、結局使わなくなる。』ということです。ヘーベルハウスの営業さんは私の兄が屋上施工したけど、結局使うのは1年に1回あるかどうか、というレベルですよ。とおっしゃっていました。
私の経験上では、賃貸マンション住まい上、バルコニーなんかに椅子を置いたりしていて1年に何回も何回も使ってきました。どうも彼らの言葉が信じられません。
しかし、何故私がマンションのバルコニーを使い、屋上庭園は使わなくなるのかじっくり考えてみました。そこでの考察結果は下記の通りです。
何故使わなくなる?屋上への動線を考察してみる。
まず考えたいのは、人は家の中にいるときどこに長く滞在するか?です。
簡単ですね。これがリビングであることは間違い無いでしょう。
そこから屋上へのルートがどうなっているかを考えてみましょう。そのルートを簡単に書き出してみました。リビングから屋上までの動線を考えてみましょう。
3階建てのケース
3階建てを建てる、というのは土地が狭い証拠です。25坪以下、といったところでしょう。3階の間取りでは、1Fはビルドインガレージや、玄関、水回り(風呂・洗面)、納戸もしくは寝室一つ、このような感じでしょう。
リビングは多くのケースで2Fに位置するはずです。
すると、屋上は自然と4Fに位置します。
リビングから登る階数は2階分です。
2階建てのケース
30坪以上の土地になると2階建てがぐんと増えてくるでしょう。戸建ての住宅ではこちらのパターンのほうが圧倒的に多いそうです。
リビングは、3方(東西南)を囲まれていない限り1階に位置するはずです。
※3方位、東西南を隣家に囲まれる場合は日当たりの関係上あえて2階にもってくるケースもあり。
するとリビングから屋上への経路はやはり2階分上がる形になります。
この2階分あがるということが以下に利用率を下げることになるか、人事の仕事をする私には経験値上よくわかりました。
大手の人事の仕事では、時に会社の中の厚生施設の建設・空間設計なんかを企画したりもします。施設の利用率には社員の生活動線の良さが大きく関係します。ここで大手の人事の仕事の経験が役に立ちました。
突然会社に置き換えてしまい、少々わかりづらい例えでした。住宅ではこのように考えてみてください。
そもそもリビング以外の階の利用率って?
例えば実家が2階建て、1階リビングの家で育った方、いったいどれくら日中に2階にいましたか?2階が寝室であればほとんど行かなかったではないでしょうか?
私の実家は地方にあり2階建ての戸建てでした。そしてリビングは1階にありました。家族にとってやはり2階というのは寝に行くだけの場所であり、日中誰かがいくということはほぼありませんでした。
このように階段一つ挟むという動線の悪さが利用率をいかに下げるか、というのがわかるでしょう。。
さて振り返り屋上は?
3階建ての家にしろ2階建の家にしろ、階段2階分離れた場所です。到底頻繁に使うとは思えませんでした。
これが屋上は使わなくなる、と言った営業の発言の私なりの考察結果です。
ここ数年屋上庭園に恋焦がれ、憧れておきながらもう1つだけネガティブなことを。
#4.夏は酷暑、絶対使わない。
屋上の良さは四方および上空に囲いがないことの開放感だと思っています。しかしながら夏場はそれが完璧にアダとなるでしょう。
私は夏になると妻に家族でキャンプに行こう、と誘うのですが妻は決まってこう言います。
人間の体は夏場の日中に直射日光にあたるように作られていません。必ず小陰の下に入りたくなります。冬に使わないことは寒さから致し方ないとする。しかし夏も使えないのはいただけません。
屋根のない屋上ではこのようなことが起こるということも必ず考えておかなければなりません。(この点は、夕刻以降の利用に限る、やタープテントを併用する、などの対策が考えられますが。)
まとめ・我が家の結論
これだけネガティブなポジショントークをとってしまい、ご察知かと思いますが、我が家では(というか私の中では...)屋上施工は見送りとなりました。
プチアウトドアを日々何気なく味わう・使うというレベルで利用していきたいのですが屋上庭園はどうも動線や特性上そうならなそうです。同時に動線についても色々と考えることができました。
前述賃貸マンションのバルコニーを利用してきたと書きましたが、あれこそマンションの動線の良さが原因だったのですね。
しかし屋上庭園を検討した中で2つの収穫がありました。
- ある商品に心踊っても実際の動線や、利用頻度を人間の行動・心理的によく考え抜くこと。
- 屋上以外にもインナーバルコニーといった他の選択肢があること。
です。(インナーバルコニーは、プラスワンリビング施工可能なハウスメーカーの営業さんから提案いただきました。)
特に動線を考え抜く、という思考はこの見学の出来事の後、間取りを検討する上で家事動線を考える私の根幹となりました。
家事動線を考える。これは私の家づくりでの大きなテーマとなりましたので、関連記事はまたの機会に書ければと思います。
それでは今日はこのへんで。
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